地域支援体制加算の要件が強化
地域支援体制加算の施設基準の算定要件に全体的に見直しが入っています。
地域支援体制加算1の「施設基準(1)地域医療に貢献する体制を有することを示す実績」には、「④かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計が20回以上であること」を含む3項目以上を満たすことが条件となります。これにより、地域支援体制加算1には「かかりつけ」が必須となります。
現行の条件では「麻薬小売業者の免許を受けていること」となっていましたが、短冊では「麻薬を調剤した場合に加算される点数の算定回数が1回以上であること」となりハードルが上がっています。
一方で「地域の多職種と連携する会議に1回以上出席していること」といった項目もあるので、すでに自分たちができているものをピックアップしたり、達成しやすそうなものを選んだりすれば「(1)地域医療に貢献する体制を有することを示す実績」の条件を達成するのは難しくはないのではないでしょうか。
地域支援体制加算2に関しては、10の要件の内容に変更はありません。しかし、満たさなくてはいけない数がかかりつけを含む3項目から8項目(かかりつけは必須ではない)以上になりました。
地域支援体制加算3は、調剤基本料1を取っている方以外の基準となります。
こちらも10の要件のうち「④かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計が40以上であること」及び「⑦在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費について単一建物診療患者が1人の場合の算定回数の合計が計24回以上であること」を含む3項目以上を満たすことが条件となります。「かかりつけ」と「在宅」は地域支援体制加算3において必須となりました。
地域支援体制加算1の条件では「①薬剤調整料の時間外等加算及び休日等加算40回以上」に対し、地域支援体制加算3は「①薬剤調整料の時間外等加算及び休日等加算400回以上」となっています。
同様に「②麻薬の調剤実績」も1回以上が10回以上と回数が増え、「⑩薬剤師認定制度認証機構が認証している研修制度等の研修認定を取得して保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に出席」も1回から5回になっています。
地域支援体制加算4も、10要件のうち8項目以上を満たすことが条件となっています。現行から変更になっている項目もありますが、比較的シンプルな構成となっています。
地域支援体制加算の施設基準の(2)以降も大幅に変更となっています。
「地域における医薬品等の供給拠点」の条件として、在庫状況の共有や医薬品の融通が入りました。
休日、夜間を含む薬局における調剤・相談応需体制等の対応においては、周知する機関に訪問看護ステーションが加わり、当該薬局の保険薬剤師(現行は担当者)と連絡先が取れるようにするように新設されました。また、現行では24時間対応となっていた箇所が「休日・夜間を含む時間帯」という表現に変更されています。
在宅医療関連の項目も、新設された箇所が多数あります。こちらは地域支援体制加算の共通の要件なので、地域支援体制加算を獲得する上で大切なところになります。
在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績は算定回数の合計が保険薬局あたり24回以上とされていますが、在宅協力薬局として連携した場合や同等の業務を行った場合を含めることができるので、薬局同士の助け合いでカバーすることもできると考えられます。
同等業務に関しては、在宅患者訪問薬剤管理指導料で規定される患者1人当たりの同一月内の訪問回数を超えて行った訪問薬剤管理指導業務を含みます。ただし、同一グループ薬局に対しての業務は除外されてしまうので注意が必要です。
そのほかにも地域支援体制加算において新設された部分はありますが、さほどハードルが高くなった実感はありません。
地域医療に関連する取組の実施には、要指導医薬品の販売が加わりました。また、患者さんからの相談に対応できるように様々な種類の医薬品を取り扱うことも新設されています。今後薬局が地域医療において活躍するためにも、また今後地域医薬品提供計画を作っていくためにも、今回追加となった要指導医薬品への対応は重要な要件になると考えています。
社会からの要請に応じて、緊急避妊薬の備蓄や相談対応の体制整備やタバコの非販売も加わりました。