お薬手帳を持つメリットは?電子版お薬手帳がおすすめな理由と活用法​

2023年12月27日

概要

多くの方が利用しているお薬手帳。令和二年に行われた内閣府の調査によると、約7割の方がお薬手帳を利用しているそうです。しかし「なぜお薬手帳が必要なのか」や「お薬手帳にどのようなメリットがあるのか」など疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、お薬手帳を使うメリットについて詳しく解説しています。電子版お薬手帳のメリットや活用法も紹介しているのでぜひご覧ください。

お薬手帳とは?

お薬手帳とは、処方してもらったお薬の名前や量、日数などを記録しておくための手帳のことです。どこの医療機関でどの薬を、どのくらい処方してもらったのかがひと目でわかるようになっています。
これにより、薬が重複していないか、併用に問題がある薬が処方されていないかなどを確認することが可能になります。

お薬手帳が作られた歴史

お薬手帳は、1993年に起きた死亡事故をきっかけに導入されました。
この事件は別々の病院から抗がん剤と抗ウイルス薬の処方を受けていたことが原因とされており、併用することで抗がん剤の代謝が阻害されるため副作用が出やすくなり、その結果死亡事故にいたってしまいました。
これをきっかけに、併用薬をきちんとチェックできる環境を整えようという動きがあり、お薬手帳が作られたのです。

お薬手帳の正しい使い方

​お薬手帳は1冊にまとめて管理しましょう。
医療機関ごとにお薬手帳を分けて使用している方もいらっしゃいますが、複数のお薬手帳をもっていると、処方されているお薬をすべて把握することができません。
もしも複数お薬手帳をお持ちの場合は、1冊にまとめてもらうよう薬局の薬剤師に相談してみてください。​

お薬手帳のメリット​

お薬手帳を活用することで、次のようなメリットを得ることができます。​

副作用や飲み合わせのリスクを軽減できる

お薬手帳の活用は副作用や飲み合わせのリスク軽減につながります。
複数の医療機関で処方を受けていたり、これまでとは違う医療機関にかかったりした場合でも、どのお薬を服用しているのかがすぐにわかります。そのため、飲み合わせが悪くないか、副作用が起きやすくならないかなどを確認してもらえるのです。

また、万が一副作用や飲み合わせのリスクが高いお薬が処方された場合は、その場ですぐに確認して処方を変更することできます。

記事冒頭でご紹介した内閣府の調査結果では、お薬手帳を使う理由について「服用しているお薬について薬剤師に飲み合わせなどを確認してもらうため」と挙げた方が56.9%に上りました。このように、多くの方が実際に飲み合わせの確認のために使用しています。
「服用している薬について自分で確認するため」「服用している薬について医師などに相談しやすいため」という回答も多く、お薬を記録することの重要性が伺えます。

場合によっては医療費が安くなる

お薬手帳を薬局の窓口で提出すると、医療費が安くなる場合があります。お薬を薬局で調剤してもらう際に発生する「薬剤服用歴管理指導料」がお薬手帳を提出した場合としない場合とで変わってくるためです。

一方、利用する薬局によってはお薬手帳を持参しても安くならないことがあります。大学病院などの前にある規模の大きな薬局では、お薬手帳を持参していてもしていなくても薬剤服用歴管理料を一律で500円にする例外規定があるのです。
また、お薬手帳の持参により医療費が安くなるのは過去6ヵ月以内に来局した場合のみに限られます。

昨今は「かかりつけ薬剤師」をもち、一つの薬局で一元的にお薬を管理してもらうのが望ましいとされています。質の高い医療を受け安全にお薬を使うためにも同じ薬局を利用し、お薬手帳を活用するようにしましょう。

災害時に処方箋なしでお薬を受け取れる

災害時、自宅を離れて避難場所での生活を余儀なくされることがあります。避難するときに普段飲んでいるお薬を持参できないケースも珍しくありません。

災害が発生すると、医療救護所で医薬品の供給が行われます。しかし、普段飲んでいる薬の名前や量を正確に覚えている方は少ないのではないでしょうか。そんな場合でも、飲んでいる薬が分かればすぐに同じ薬や代替薬を貰うことができます。

また、東日本大震災ではお薬手帳の内容を確認し、状態が安定している慢性疾患だと判断できる場合は医師の処方箋なしで薬を受け取ることができました。混乱した状況のなかでスムーズに薬を受け取る際にも、お薬手帳はとても大事な役割を果たします。

「電子版お薬手帳」が便利!メリットと活用法

お薬手帳には、紙の手帳と電子版お薬手帳が存在します。ここからは、近年注目されている電子版お薬手帳のメリットについて詳しくご紹介します。​

薬局の待ち時間が減り、時間を活用できる

電子版お薬手帳には、薬の記録以外に「医療機関で受け取った処方箋を薬局に送信できる機能」を搭載しているものがあります。

​こうした機能を搭載している電子版お薬手帳を使えば、処方箋の画像を受け取った薬局が薬を準備し、準備が終わったタイミングにあわせてアプリ経由で通知してくれるため、直接薬局に行って処方箋を提出し準備ができるまで待つという手間が省けます。
薬が準備されるまでの間に買い物をしたりほかの用事を済ませたりすることもできます。飲食店で採用されているモバイルオーダーのような使い勝手をイメージするとわかりやすいかもしれません。​

待ち時間を短縮し、時間を自由に使いたいという方にとっては非常に大きなメリットといえるでしょう。

お薬の飲み忘れを防止できる

電子版お薬手帳のなかには、お薬の飲み忘れを防止するアラーム機能がついたものがあります。お薬を服用する時間になるとプッシュ通知やアラームで知らせてくれるので、飲み忘れる心配がありません。自分で服薬用のアラームを設定する手間も省けます。

アプリで服薬指導を受けられる

アプリを通じて薬剤師による服薬指導を受けられる電子版お薬手帳を使えば、自宅にいながらお薬について相談することが可能になります。
これにより、薬局に足を運ぶことなくお薬や体調について相談でき、お薬に関する不安や疑問をすぐに解消することが可能になります。

薬剤師も患者様の状態を把握しやすくなり、より患者様に寄り添った処方ができるようになるでしょう。

紛失する心配がなく、荷物が減る

紙のお薬手帳だと、持っていくのを忘れてしまったり、久しぶりの受診だとなくしてしまったりすることがあります。

一方、スマートフォンのアプリとして電子版お薬手帳を導入し、日頃からよく使うスマートフォンとお薬手帳を一体化すれば、持ち忘れや紛失の心配を減らすことができます。もしもスマートフォン自体を紛失してしまっても、アプリを再度ダウンロードして復旧することが可能です。

また、電子版お薬手帳なら普段の荷物にプラスしてお薬手帳を持っていく必要がないので、荷物を減らすことにもつながります。
「紙のお薬手帳だと持っていくのをついつい忘れてしまう」、「なくしてしまってなかなかお薬の記録が蓄積されない」という方には、電子版お薬手帳がおすすめです。

家族全員のお薬を一括で管理できる

紙のお薬手帳は基本的に1冊で1人分のお薬を管理します。一方、電子版お薬手帳ならアプリをダウンロードしておくだけで複数人分のお薬を一括管理できます。

子どもや両親など家族のお薬を一緒に登録できるため、紙のお薬手帳を何冊も保管する必要がありません。自分でお薬を管理できない家族がいる場合でも、今どのようなお薬を服用しているのか、ちゃんと服用できているかを手間なく簡単に確認できます。

市販薬もまとめて管理できる

市販薬でも処方薬との併用に注意が必要なものがあるため、きちんと確認しなければなりません。しかし処方薬の管理は行っていても、市販薬までは管理できていないケースが多いのではないでしょうか。

市販薬も一緒に管理できる電子版お薬手帳を使えば、どのような薬をいつから服用しているのかまとめて記録できます。これにより、さらに飲み合わせのリスクを下げることにつながります。
また、別のお薬管理アプリを併用する必要もなくなり、常にひとつのアプリでお薬のデータをまとめることが可能になります。

ここまで、電子版お薬手帳のメリットを解説してきました。
「ヘルスケア手帳」ならここまでにご紹介した便利な機能をすべて搭載しており、スマートフォンアプリで簡単に利用を開始できます。
長い待ち時間の解消やお薬の一括管理など、お薬に関する日々のお悩み解消にぜひお役立てください。

​​まとめ​

​お薬手帳を活用すると、副作用のリスクを低くしたり医療費が安くなったりするなど、多くのメリットがあります。
一方、紙のお薬手帳はつい忘れたりなくしたりしてしまうことも。そんな方には、持ち忘れをなくして荷物を減らし、より手軽かつ身近にお薬手帳を活用できるようになる「電子版お薬手帳」がおすすめです。スマートフォンなら災害時でもさっと手荷物に加えられるため、いざというときも安心です。
アプリ経由で薬局に処方箋の写真を送ることでお薬の準備をしてもらえるため、お薬を受け取るまでの待ち時間も有効活用できるようになります。​

「ヘルスケア手帳」なら、こうしたメリットに加えて薬剤師から服薬に関するフォローを受けることができるほか、アラーム機能を使って飲み忘れを防ぐこともできます。「ヘルスケア手帳」を活用することで、あなたの暮らしがもっと便利で豊かになることでしょう。

\ SNSでシェア /

X LINE
ページトップに戻る