患者様にとっての電子処方箋のメリット
電子処方箋を利用することで、患者様にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは電子処方箋の6つのメリットを紹介します。
受診・服薬情報を把握しやすくなり継続的に診療・処方を受けられる
電子処方箋を利用することで、いつ医療機関を受診したのか、どのようなお薬が処方されたのかに関する直近一ヶ月のものを含む過去3年の情報が、医療機関や薬局を跨いでタイムラグなく確認できるようになります。
これにより、オンライン資格確認等システムから入手できる薬剤情報等をもとに複数の医療機関・薬局間で情報の共有が進むため、どこの医療機関や病院に行っても過去の情報が受け継がれるとともに、事故や災害などの緊急時にも服薬情報を把握でき、より質の高い医療を受けられるようになるというメリットがあります。
薬の飲み合わせや副作用のリスクを下げられる
先述の通り、電子処方箋に対応している医療機関や薬局では、ほかの医療機関で処方されているお薬の情報も確認できます。これによりお薬の飲み合わせや副作用歴なども一緒に確認できるようになります。
たとえばA病院で頭痛のために鎮痛剤を処方してもらっている方が、B病院で腰痛のためにこちらでも鎮痛剤を処方してもらっているとしましょう。この場合、処方目的は違いますが、同じ作用をもつお薬が処方されていることになります。この場合、同時に服用すると副作用が起こりやすくなるため、どちらか一方のみ服用するようにしなければなりません。
電子処方箋を導入することで、こうした事態をいち早く見つけ、対処してもらえるようになります。
また、マイナポータルの利用により、患者様自身で薬剤情報を一元的に管理することも可能です。服薬情報の履歴をお手元で管理できるようになるとともに、必要に応じて飲み合わせや副作用についても、医療機関や薬局などに確認してもらえるようになります。
薬局で薬が受け取りやすくなる
電子処方箋を利用すれば、より薬の受け取りがスムーズになります。
紙の処方箋の場合、薬局まで足を運んで処方箋を提出するか、もしくは電子版お薬手帳を使って事前に処方箋送信をしなければいけませんでした。
一方、電子処方箋の場合は「電子処方箋管理サービス」に登録された後、引換番号が発行されます。この引換番号を事前に薬局へ送信しておけば、番号を受け取った薬局が調剤を始めてくれるので、長い時間待つ必要がなくなるのです。
オンライン診療や服薬指導などを受けやすくなる
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどを使って自宅にいながら診察を受けられるサービスです。特に在宅医療の患者様にとってメリットがあるほか、外出することなく診察を受けられますが、発行された処方箋が郵送で自宅に届くまで待つ必要があります。つまり、受診した当日にお薬を受け取ることが難しいという課題がありました。
しかし、電子処方箋を利用すればオンライン診療を受けた後にすぐ「電子処方箋管理サービス」に処方箋の内容を登録してもらえるため、その日のうちにお薬を受け取れるようになります。オンライン服薬指導をしている薬局なら、服薬指導も自宅でそのまま受けることが可能です。
ただし、一歩も外に出ず処方されたお薬を受け取るためには、薬局がお薬の配送サービスを実施していないといけません。配送を行っていない場合は、お薬を薬局まで取りに行く必要があります。
服薬指導とは、適切な服薬をフォローするために薬剤師が行う、お薬などに関する情報提供のことを指します。丁寧な服薬指導は、お薬を正しく服用するために欠かせません。
さらに、電子処方箋があればこれまでの服用歴や副作用歴などを薬剤師がすべて確認できるため、よりきめ細やかな服薬指導を受けられるようになります。