エビデンスベースドメディスン (EBM)
エビデンスベースドメディスン (EBM=Evidence-Based Medicine)は、根拠に基づく医療という意味です。個々の患者の治療に関わる意志の決定に最良の「根拠」を思慮深く活用し、患者様にとってより良い医療を目指そうとするものです。
EBMは3つの要素から成り立っていると定義されています。
①臨床研究による根拠:
これまでの経験などから編み出された治療方法は取り入れられる事はありません。
②患者の価値観:
高い効果が期待できる治療方法であっても、患者の価値観に沿わない治療は無理に強行できません。本人や周囲の望まない延命治療や、非常に高額な治療費が必要なものなどが該当します。
③医療従事者の専門性と熟練姓
医療従事者の経験だけで治療内容を判断はできない。根拠のある治療方法と患者の価値観を合わせた治療方法を考えるのが医療従事者の仕事です。
ポイント
- 患者様へ
- 患者様ご自身が中心となって治療を進めていくために、EBMが取り入れられるようになりました。様々な治療方法が選択肢としてある中で、治療を受ける本人の「意向」を尊重し、より良い治療方針を決定していくことができます。また、そのためには治療についての情報を集め、「どんな治療で進めていきたいか」などを主治医に伝えることも大切です。
- 薬局/薬剤師様へ
- 患者様の意思や意向を重視して、治療法を決定していくEBMですが、直接治療方法を決めたり、薬を処方したりすることができない薬剤師としては難しい問題もあるでしょう。しかし、エビデンスだけを押し付けたり、患者様の意思だからと治療を遠ざけたりするのではなく、日々のコミュニケーションから患者様が納得できるように説明し、医師とも連携していくことが重要です。